2. VPN-IPv6 アドレスファミリ
BGP マルチプロトコル拡張 [BGP-MP] により, BGP は複数の "アドレスファミリ" からのルートを運ぶことができる. ここでは, "VPN-IPv6 アドレスファミリ" の概念を導入する. これは, [BGP/MPLS-VPN] で導入された VPN-IPv4 アドレスファミリと類似している.
VPN-IPv6 アドレスは, 8 バイトの "ルート識別子" (RD) で始まり, 16 バイトの IPv6 アドレスで終わる, 24 バイトの値である.
RD の目的は, 共通の IPv6 アドレスプレフィックスに対して異なるルートを作成できるようにすることのみであり, これは [BGP/MPLS-VPN] で定義された RD の目的と類似している. [BGP/MPLS-VPN] で許可されているように, RD は同一システムに対して複数の異なるルートを作成するために使用できる. これは, IPv6 部分が同じで RD が異なる 2 つの異なる VPN-IPv6 ルートを作成することで実現できる. こうすることで, プロバイダの BGP は同一システムに対して複数の異なるルートをインストールでき, どのパケットがどのルートを使用するかを決定するためのポリシーの使用を許可する.
さらに, 2 つの VPN が同じ IPv6 アドレスプレフィックス (実際には異なる物理システムを表す) を使用している場合, PE はそれを異なる RD を持つ一意の VPN-IPv6 アドレスプレフィックスに変換する. これにより, 同一アドレスが 2 つの異なる VPN で使用されても, そのアドレスに対して VPN ごとに完全に異なる 2 つのルートをインストールできることが保証される.
VPN-IPv6 アドレスと IPv6 アドレスは異なるアドレスファミリに属するため, BGP はそれらを比較可能なアドレスとして扱うことはない.
VRF は, 単一の IPv6 アドレスプレフィックスに対して複数の等価な VPN-IPv6 ルートを保持する場合がある. パケットの宛先アドレスが VRF 内で VPN-IPv6 ルートに一致した場合, 実際に一致するのは IPv6 部分のみである.
ルート識別子のフォーマットおよび符号化は, [BGP/MPLS-VPN] に規定されるとおりである.
サイトが IPv4 と IPv6 の両方に対応している場合, 同じ RD を使用して IPv6 アドレスおよび IPv4 アドレスの両方をアドバタイズできる. あるいは, IPv4 アドレスと IPv6 アドレスを個別にアドバタイズするために異なる RD を使用することもできる. ただし, 本仕様の範囲内では, IPv4 アドレスと IPv6 アドレスは常にそれぞれ独立したコンテキストで処理され, いかなる IPv4-IPv6 相互接続の問題および関連技術についても議論されないことに注意されたい.