1. 概要 (Overview)
本文書は、MPLSデータプレーン上のOSPFv2セグメントルーティング拡張 (Segment Routing extensions) [RFC2328][RFC8665] およびOSPFv3セグメントルーティング拡張 [RFC5340][RFC8666] を構成・管理するために使用できるYANGデータモデル [RFC7950] を定義します。定義されたYANGデータモデルは、OSPF YANGデータモデル [RFC9129] の拡張です。
1.1. 要求言語 (Requirements Language)
本文書のキーワード「MUST」、「MUST NOT」、「REQUIRED」、「SHALL」、「SHALL NOT」、「SHOULD」、「SHOULD NOT」、「RECOMMENDED」、「NOT RECOMMENDED」、「MAY」、「OPTIONAL」は、BCP 14 [RFC2119][RFC8174] に記載されているとおりに解釈されるものとします。ただし、ここに示すように、すべて大文字で表示される場合に限ります。
1.2. ツリー図 (Tree Diagrams)
本文書は、[RFC8340] で定義されたデータモデルの図形表現を使用します。
YANGモジュール概要
ietf-ospf-sr-mpls YANGモジュールには、OSPFv2 [RFC8665] とOSPFv3 [RFC8666] の両方のMPLSデータプレーンセグメントルーティング拡張が含まれています。
主な機能
このYANGモジュールは、以下の主要な機能を提供します:
- OSPFv2とOSPFv3のサポート - 統一されたデータモデルが両方のOSPFバージョンのセグメントルーティング拡張をサポートします
- 完全な構成サポート - インスタンスレベル、エリアレベル、インターフェースレベルのセグメントルーティング構成を含みます
- LSA状態情報 - OSPFリンクステートアドバタイズメント (Link State Advertisements, LSA) 内のセグメントルーティング関連の運用状態データを提供します
モジュール依存関係
ietf-ospf-sr-mpls YANGモジュールは、以下のサポートを必要とします:
- 基本セグメントルーティングモジュール [RFC9020] - 特定のルーティングプロトコルに依存しないグローバルセグメントルーティング構成を定義します
- OSPF基本モデル [RFC9129] - 基本的なOSPF構成と状態を定義します
- OSPFv3拡張LSAモジュール [RFC9587] - OSPFv3拡張LSAのデータモデル
OSPF構成に含まれるもの
- OSPFインスタンスレベル構成 - "ietf-segment-routing-mpls" YANGモジュールからインポートされ、マッピングサーバーバインディングおよびプロトコルごとのセグメントルーティンググローバルブロック (Segment Routing Global Block, SRGB) を含みます
- OSPFエリアレベル構成 - すべてのインターフェースでSR-MPLSを有効にし、LSAでSR-MPLS情報をアドバタイズします
- OSPFインターフェースレベル構成 - マルチアクセスインターフェース上の特定のネイバーに対する隣接セグメント識別子 (Adjacency Segment Identifiers, Adj-SID) 構成
- TI-LFA構成 - MPLSデータプレーンを使用したトポロジー非依存ループフリー代替 (Topology-Independent Loop-Free Alternate) インターフェースレベル構成
LSA運用状態
モジュールは、OSPFv2およびOSPFv3 LSAの運用状態(読み取り専用)の追加を提供します:
OSPFv2固有:
- 拡張プレフィックス範囲TLVエンコーディング
- プレフィックスSIDサブTLVエンコーディング
- SRアルゴリズム、SID/ラベル範囲TLVなど
OSPFv3固有:
- 拡張プレフィックス範囲TLVエンコーディング
- プレフィックスSIDサブTLVエンコーディング
- Adj-SIDおよびLAN Adj-SIDサブTLV
- SRアルゴリズム、SID/ラベル範囲TLVなど
このYANGモデルを通じて、ネットワークオペレーターは標準化された方法でOSPFネットワークにおけるセグメントルーティング機能を構成・管理でき、柔軟なトラフィックエンジニアリングと高速リルート機能を実現できます。