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Appendix E. About PKCS (PKCSについて)

公開鍵暗号標準について (Public-Key Cryptography Standards)

公開鍵暗号標準 (PKCS, Public-Key Cryptography Standards) は、RSA Laboratoriesが産業界および学術界の開発者と協力して策定した仕様であり、公開鍵暗号技術の展開を加速することを目的としています。

PKCSシリーズの概要

PKCSシリーズは当初RSA Security Inc.(旧RSA Data Security, Inc.)によって開始され、複数の標準を含みます:

標準名称状態
PKCS #1RSA暗号仕様✅ 本文書 (RFC 8017)
PKCS #3Diffie-Hellman鍵交換標準-
PKCS #5パスワードベース暗号仕様RFC 2898, RFC 8018
PKCS #6拡張証明書構文標準廃止
PKCS #7暗号メッセージ構文標準RFC 2315 (CMSに置き換え)
PKCS #8秘密鍵情報構文仕様RFC 5208, RFC 5958
PKCS #9選択属性タイプRFC 2985
PKCS #10証明書要求構文仕様RFC 2986
PKCS #11暗号トークンインターフェース (Cryptoki)OASIS標準
PKCS #12個人情報交換構文標準RFC 7292
PKCS #15暗号トークン情報形式標準ISO/IEC 7816-15

PKCS #1の歴史的意義

PKCS #1はPKCSシリーズの中で最も初期の、そして最も重要な標準の1つであり、RSA暗号の標準化された実装方法を定義しています:

  • 産業採用: PKCS #1はSSL/TLS、SSH、S/MIME、PGPなどのプロトコルで広く採用されています
  • 標準化への影響: IEEE 1363、ISO/IEC 18033などの国際標準に影響を与えました
  • 学術的貢献: OAEPおよびPSSスキームの導入は、証明可能に安全な暗号の発展を促進しました

RSA LabsからIETFへ

2000年代中頃から、PKCSシリーズの標準は徐々にオープン標準組織に移管されました:

  • IETF: PKCS #1、#5、#7、#8、#9、#10、#12がRFCに転換
  • OASIS: PKCS #11 (Cryptoki) がOASIS標準に転換
  • ISO/IEC: PKCS #15がISO/IEC 7816標準に統合

本文書 (RFC 8017) は、PKCS #1の管理権がRSA LabsからIETFに移管されたことを表し、この標準の継続的な保守と発展を保証しています。

謝辞 (Acknowledgements)

PKCS #1の発展は、暗号コミュニティからの多数の貢献のおかげです:

  • 原著者: Burt Kaliski, Jake Lacy
  • 理論的基礎: Mihir Bellare, Phillip Rogaway (OAEPおよびPSSスキーム)
  • v2.0-v2.2貢献者: Jakob Jonsson, Burt Kaliski, Kathleen Moriarty, Andreas Rusch
  • レビューとフィードバック: IETFコミュニティ、RSA Labs、学術界からの広範なレビュー

詳細情報

  • IETF PKCSワーキンググループ: https://datatracker.ietf.org/wg/pkcs/
  • RSA Labs: http://www.rsa.com/rsalabs/
  • PKCSアーカイブ: https://www.emc.com/emc-plus/rsa-labs/standards-initiatives/pkcs.htm