付録 F. RFC 2461 からの変更点 (Changes from RFC 2461)
この付録では、RFC 4861 とその前身である RFC 2461 との間の変更点を要約します。
F.1. 主な変更点 (Major Changes)
F.1.1. 更新された参照 (Updated References)
変更: 廃止された RFC への参照が更新されました
- RFC 2463 (ICMPv6) → RFC 4443
- RFC 2373 (IPv6 Addressing) → RFC 4291
F.1.2. 近隣非到達性検出の明確化 (Clarifications on Neighbor Unreachability Detection)
変更: 近隣非到達性検出を実行すべき条件を明確化
- 上位層の到達可能性確認が十分である場合のガイダンスを追加
- DELAY 状態と PROBE 状態の関係を明確化
F.1.3. セキュリティ上の考慮事項の強化 (Security Considerations Enhancement)
変更: セキュリティ上の考慮事項セクションを大幅に拡張
- 詳細な脅威分析を追加
- SEcure Neighbor Discovery (SEND) について議論
- RFC 2461 以降に発見された新しい攻撃ベクトルに対処
F.2. 技術的修正 (Technical Corrections)
F.2.1. Router Advertisement の処理 (Router Advertisement Processing)
変更: Router Lifetime がゼロの Router Advertisement の処理を明確化
- このような RA は、ルータが利用できなくなったことを示すために使用される
- ホストはルータを Default Router List から直ちに削除しなければならない
F.2.2. Redirect メッセージの処理 (Redirect Message Handling)
変更: Redirect メッセージは現在の最初のホップルータからのみ受け入れられなければならないことを明確化
- 明示的な検証要件を追加
- リダイレクト処理のセキュリティ要件を強化
F.2.3. Prefix Information オプション (Prefix Information Option)
変更: 以下を持つ Prefix Information オプションの処理を明確化:
- Preferred Lifetime > Valid Lifetime(無効と見なされる)
- On-link フラグと Autonomous フラグの相互作用
F.3. 編集上の変更 (Editorial Changes)
F.3.1. 用語の一貫性 (Terminology Consistency)
変更: 文書全体で用語の一貫性を改善
- "link-layer address" vs. "link-layer address" の使用を標準化
- RFC 2119 キーワード(MUST、SHOULD、MAY)の一貫した使用
F.3.2. メッセージフォーマット図 (Message Format Diagrams)
変更: 明確性のためにメッセージフォーマット図を更新
- ビットフィールド表現を改善
- より詳細なオプションフォーマット仕様を追加
F.4. 動作の変更 (Behavioral Changes)
F.4.1. IsRouter フラグの処理 (IsRouter Flag Handling)
変更: IsRouter フラグの設定とクリアのルールを明確化
- 既知のルータから R=0 の Neighbor Advertisement を受信した場合の動作を指定
- ルータを Default Router List から削除する要件を追加
F.4.2. リンクローカルアドレスの生成 (Link-Local Address Generation)
変更: リンクローカルアドレス生成の現在の慣行を反映するように更新
- プライバシー拡張への参照(RFC 4941)
- EUI-64 vs. 代替方法のガイダンス
F.4.3. 重複アドレス検出 (Duplicate Address Detection)
変更: DAD に関する軽微な明確化:
- Neighbor Advertisement を受信した場合の DAD 中の動作
- エニーキャストアドレスの DAD の処理
F.5. 新しいセクション (New Sections)
F.5.1. リナンバリングの考慮事項 (Renumbering Considerations)
変更: ネットワークリナンバリングに関するガイダンスを含むセクション 12 を追加
- リナンバリングのために Router Advertisement を使用する方法
- リナンバリング中のプレフィックスライフタイム管理
F.5.2. 概念的送信アルゴリズム (Conceptual Sending Algorithm)
変更: 概念的送信アルゴリズムの説明を強化
- 次ホップ決定を明確化
- Destination Cache の使用の説明を改善
F.6. 削除または非推奨のコンテンツ (Removed or Deprecated Content)
F.6.1. 実装例 (Implementation Examples)
変更: 実装固有の例のいくつかを削除
- 実装の選択ではなくプロトコル要件に焦点
- 実装ガイダンスを付録に移動
F.7. IANA の考慮事項 (IANA Considerations)
変更: 現在の IANA 手順を反映するように IANA の考慮事項セクションを更新
- 登録手順のための RFC 8126 への参照
- オプションタイプ割り当てポリシーを明確化
F.8. プロトコル定数 (Protocol Constants)
変更: プロトコル定数定義の軽微な調整
- 単位と意味を明確化
- 定数を調整できる場合のガイダンスを追加
F.9. 実装への影響 (Impact on Implementations)
互換性: RFC 4861 は RFC 2461 と大部分後方互換性があります
- ほとんどの変更は機能的な変更ではなく明確化です
- セキュリティ関連の変更には、既存の実装の更新が必要になる場合があります
移行: 実装は段階的に移行できます
- 展開のためのフラグデーは不要
- RFC 2461 実装との相互運用性が維持されます
F.10. 主な変更の要約 (Summary of Key Changes)
RFC 2461 からの最も重要な変更は:
- 強化されたセキュリティガイダンス - 最新の展開に不可欠
- 明確化された NUD 動作 - 相互運用性を改善
- 更新された規範的参照 - 現在の IPv6 仕様を反映
- リナンバリングの考慮事項 - オペレータのための実用的なガイダンス
- 編集上の改善 - より良い明確性と一貫性
注記: RFC 4861 は RFC 2461 を廃止しますが、基本的なプロトコルは同じままです。ほとんどの変更は、実装と展開の経験に基づく明確化、修正、および強化です。