3.6. グループサイズに関する考慮
本節は, 各フィードバックモードを用いうるグループサイズについての指針を示す.
3.6.1. ACK モード
RTP セッションのメンバーはちょうど 2 人でなければならず (MUST), グループサイズは増えてはならない (MUST NOT). すなわちポイントツーポイント通信でなければならない (MUST). セッション記述ではユニキャストアドレスを用いることが望ましい (SHOULD).
2 者間の一方向または双方向通信では, RTP セッション帯域の 2.5% が受信者側の RTCP (フィードバック含む) に使える. 64 kbit/s ストリームでは RTCP に 1,600 bit/s となる. RTCP パケット平均 96 バイト (=768 bit) とすると, 受信者は毎秒 2 事象を送信者に報告できる. 1 つの FB メッセージに 10 事象の確認をまとめれば, 毎秒 20 事象を確認できる. 256 kbit/s では毎秒 8 事象を報告でき, ACK はより細かい粒度 (例: FB あたり 3 件の ACK のみ) で送れる.
ACK 戦略はこれらの帯域制約下で正しく動作するよう定義しなければならない (MUST). セッションで ACK を許可するか, 許可する場合どの ACK 戦略を使うかは, 帯域外機構 (例: SDP のメディア固有属性) で伝えてもよい (MAY).
3.6.2. NACK モード
否定確認 (および類似の報告特性を持つ他のフィードバック) は, グループサイズが 2 を超えうるすべてのセッションで用いなければならない (MUST). もちろん NACK はポイントツーポイントでも用いてよい (MAY).
Early RTCP パケットを検討するかは, セッション帯域, コーデック, フィードバックの種類, 送信者・受信者数など多くのパラメータに依存する.
動作モード決定で最も重要なのは, 2 つの複合 RTCP 間の許容最小間隔 (T_rr) と, 時間間隔あたりに報告が必要と推定される事象の平均数 (および時間分布) である. 最小間隔は利用可能な RTCP 帯域と RTCP パケットの期待平均サイズから得られる. 報告事象数 (例: 毎秒) はパケット損失率と送信パケットレートから得られる. この 2 値から Immediate Feedback モードで許容されるグループサイズを計算できる.
セクション 3.3 にあるとおり:
受信者が間隔 T あたりに報告する平均事象数を N, その受信者の RTCP 帯域割合を B, 平均 RTCP パケットサイズを R とすると, N<=B*T/R の間は受信者は Immediate Feedback モードで動作する.
Early RTCP モードの上限は, 許容できる品質劣化, すなわち時間間隔あたりに未報告にしてよい事象数だけに依存する.
セクション 3.3 にあるとおり:
上記の記法で, Early RTCP モードはおおむね N > B*T/R を「下限」として特徴づけられる. 上限の推定は難しい. N=1 とすると, 与えられた R と B に対して報告事象間の平均間隔として T = R/B が得られる. この情報は RTCP パケットの早期送信が有用かどうかを判断するヒントにできる.
例: MTU 約 1,500 バイトのネットワークで 256 kbit/s, 30 fps の動画を送る場合, 多くの場合 1 フレームが 1 パケットに収まりパケットレートは毎秒 30 となる. ネットワークで 5% 損失 (一様, 受信者間独立) なら, 各受信者は平均して 2 秒あたり 3 パケット損失を報告する. 送信者 1 人かつ受信者が 3 人以上なら, 受信者への RTCP 割当は 3.75% で 9.6 kbit/s となる. 平均複合 RTCP サイズを 120 バイトとすると毎秒 10 パケット, 2 秒で 20 パケット送れる. 各受信者が 2 秒あたり 3 損失をすべて報告するなら, 最大グループサイズは 6〜7 受信者となる. Early RTCP の送信規則は, その多くをタイムリーに報告できるよう十分な柔軟性を与えるべきである.
この例を Early RTCP 上限に拡張する考え方: 符号化方式とアプリケーション (および寛容な利用者) が 2 秒に約 1 件の未修復損失まで許すとすると, 受信者あたりの報告は 2 秒で 2 パケットに減りグループサイズは 10 に増える. さらに損失に相関があればフィードバックトラフィックは減り, Early RTCP で 12〜16 (場合によっては 20) 程度のグループが現実的になりうる. これらは統計に基づき, 常に成り立つとは限らない.