1.1. 定義 (Definitions)
RTP/RTCP [1] および "RTP Profile for Audio and Video Conferences with Minimal Control" [2] の定義が適用される. さらに本ドキュメントでは次の定義を用いる.
Early RTCP モード (Early RTCP mode):
メディアストリームの受信者が, 関心のある事象をその発生に近いタイミングで (常にではないがしばしば) 送信者へ報告できる動作モード. Early RTCP モードでは, RTCP パケットは本ドキュメントで定義されるタイミング規則に従って送信される.
Early RTCP パケット (Early RTCP packet):
受信者が観測した「事象」を理由として, [1] のスケジューリングアルゴリズムに従った場合に許可されるより早く送信されるパケット. Early RTCP パケットは Immediate Feedback モードおよび Early RTCP モードで送信されうる. 本ドキュメントでは Early RTCP パケットの送信を Early Feedback の送信とも呼ぶ.
事象 (Event):
メディアストリームの受信者が行った観測で, 送信者にとって (潜在的に) 関心があるもの, 例えばパケット損失や受信, フレーム損失などであり, フィードバックメッセージによって送信者へ報告する価値があるもの.
フィードバック (FB) メッセージ (Feedback (FB) message):
本ドキュメントで定義される RTCP メッセージで, RTCP 受信者レポート (RR) に載る長期的な受信者状態に加え, 受信者で観測された事象に関する情報をメディアストリームの送信者へ伝えるために用いられる. 明確化のため, 本ドキュメントでは feedback message を FB message と呼ぶ.
フィードバック (FB) しきい値 (Feedback (FB) threshold):
FB しきい値は Immediate Feedback と Early RTCP モードの間の移行を示す. 複数当事者のシナリオでは, FB しきい値は, 平均して各受信者が各事象を送信者へ即座に, すなわち定期 RTCP 間隔を待たずに Early RTCP パケットによって報告できる最大のグループサイズを示す. このしきい値は, 提供するフィードバックの種類, ネットワーク QoS (例: パケット損失確率と分布), 使用するコーデックとパケット化方式, セッション帯域, アプリケーション要件に強く依存する. アルゴリズムはすべての送信者と受信者がこのしきい値について同じ値に合意することに依存しない点に注意すること. これはアプリケーション設計者への概念的指針にすぎず, いかなる計算にも用いられない. 明確化のため, 本ドキュメントでは feedback threshold を FB threshold と呼ぶ.
Immediate Feedback モード (Immediate Feedback mode):
各メディアストリーム受信者が, 統計的に, 関心のある各事象をメディアストリーム送信者へ即座に報告できる動作モード. Immediate Feedback モードでは, RTCP FB メッセージは本ドキュメントで定義されるタイミング規則に従って送信される.
メディアパケット (Media packet):
メディアパケットは RTP パケットである.
Regular RTCP モード (Regular RTCP mode):
FB メッセージの優先送信が許されない動作モード. 代わりに RTCP メッセージは [1] の規則に従って送信される. それでもそのような RTCP メッセージは本ドキュメントで定義されるフィードバック情報を含みうる.
Regular RTCP パケット (Regular RTCP packet):
Early RTCP パケットとして送信されない RTCP パケット.
RTP 送信者 (RTP sender):
RTP 送信者は, メディアパケットおよび RTCP パケットを送信し, Regular および Early RTCP (すなわちフィードバック) パケットを受信する RTP エンティティである. RTP 送信者は論理ロールであり, 同一の RTP エンティティが同時に RTP 受信者として動作しうる点に注意すること.
RTP 受信者 (RTP receiver):
RTP 受信者は, メディアパケットおよび RTCP パケットを受信し, Regular および Early RTCP (すなわちフィードバック) パケットを送信する RTP エンティティである. RTP 受信者は論理ロールであり, 同一の RTP エンティティが同時に RTP 送信者として動作しうる点に注意すること.